鼓膜体温計

論文・要約
(文字化けが生じた場合:摂氏centigradeが入ります)

8.乳幼児と耳垢の充満した耳の鼓膜温と腋下温の比較:特集 小児科医が知りたい・聞きたい「子どもの耳・鼻・のどQ&A」 小児科臨床 59:2781-2786、2006.西澤伸志

7.鼓膜体温計:西澤伸志。 野村恭也、本庄 巌、小松崎篤編:耳鼻咽喉科・頭頸部外科クリニカルトレンド Part 4.320-321、2004.中山書店 東京

6.赤外線鼓膜体温計による1,132人2,264耳の鼓膜温 耳展 42:597-603、1999. 西澤伸志 
          要約:医療用赤外線鼓膜体温計サーモスキャンRにて1992年12月から1996年3月までの期間、1,132人2,264耳の鼓膜体温を5回ずつ11,320回測定し、10歳代ごとの年代別に区切り比較検討した。予測式病院用電子体温計腋下1分計にて腋窩温も測定し鼓膜温と比較した。鼓膜温は40歳代が10、20歳代および50、60、70歳代との間に有意差を認め、しかも高温であった。鼓膜温の平均は36.54℃、腋窩温の平均は36.53℃を呈し両者に有意差がなかった。男性は鼓膜温の年代別の差を認めなかった。女性の鼓膜温は30、40歳代にピークを認めた。女性の20歳代までは鼓膜温が腋窩温より低温であったが、30歳代以降では逆に鼓膜温より腋窩温が低かった。

5.鼓膜体温計の基礎的研究 II ー測定距離、測定角度による偏差ー 耳展 42:23-29、1999. 西澤伸志
          要約:鼓膜体温が外耳道へ挿入される際、測定対象の外耳道の形状の影響と測定手技の影響により、鼓膜体温計は正しく鼓膜に向けられないことになる。そのため正確な温度測定ができない恐れがある。そこで鼓膜体温計の使用に際し、測定距離による影響と、測定方向の影響について調べた。測定対象として、恒温水槽の水面温度を測定した。水温は37.7℃と35.4℃の二種類について調べた。距離の影響を調べるため、水面から0.5cm、1 cm、および1cm から1cmごとに10 cm までの距離にて測定した。サランラップで水面を被って、直接水面からも同様に測定した。角度の影響を調べるため、鼓膜体温計を水面から2cmと4cmの距離で、鉛直線を0度とし、そこより10度ずつ60度まで傾けて調べた。測定は10回ずつ施行した。測定距離の1 cmと2cmでは有意差がなかった。垂直方向と30度まで傾けても有意差がなかった。

4.鼓膜体温計の基礎的研究 ー四種類の鼓膜体温計の精度ー 耳展 41:615-621、1998. 西澤伸志
         
 要約:日本国内で市販された四種類の鼓膜体温計の精度を確かめるため、37℃と40℃の赤外線基準値を一度に10回ずつ、一年以上に渡り、延べ1000回以上測定し、比較検討した。37℃の基準値測定では、JISの基準値37±0.1℃に入る割合は、54、52、28、0%となり、鼓膜体温計の機種により差を認めた。標準偏差は、0.14から0.39℃となり、再現性に開きがあった。40℃の測定では、JISの基準値40±0.2℃に入る割合は、61、50、49、0%となり、同様に機種の差を認めた。標準偏差の開きは0.21から0.37℃であった。最高表示温と最低表示温を呈する測定値が10回連続測定の際、いつ得られるか調べると、三機種では初回の測定に最低温度表示を示し、最高温度表示は4回目以降であった。10回連続測定の際、最高温度表示と最低温度表示の温度差が、三機種では0.6℃の範囲にあったが、標準偏差が最も大きい機種は1℃以上であった。

3.サーモグラフィによる真冬日の耳温度変化の観察、臨床体温 14:170-184、1994. 西澤伸志
          はじめに 赤外線鼓膜体温計を使用するに際し、寒気の中から室内に入った際、どの程度の時間を要し鼓膜体温が回復するか、を知ることは、鼓膜体温計を正確に使用する上で必要である。寒気の中では露出した頬や、耳介を含めた耳が冷え切って冷たくなることは誰でも経験して知っていることであるが、はたして冷え切った耳介の皮膚と続いている鼓膜の体温は、体温測定に役に立つのか?という疑問が生じる。そこで1994年1月から2月までの真冬日に、サーモグラフィ(熱画像)を用い、耳介を含めた耳と周囲の皮膚温の二次元的な温度分布変化を経時的に調べた。あわせて、赤外線鼓膜体温計にて鼓膜温を測定し、腋窩温も調べて比較した。・・・以下省略

2.赤外線鼓膜体温計568人1136耳の使用経験、臨床体温 14:157-169、1994. 西澤伸志
          要約:(1)非接触型赤外線鼓膜体温計サーモスキャンRにて1992年12月から1994年6月までの期間、568人1,136耳の鼓膜体温を5回ずつ5,680回測定し比較した。腋窩体温との比較も施行した。対象は568名(5歳から89歳、平均45.5歳)、男199名、女369名であった。(2)平均鼓膜温は36.4915℃、平均腋窩体温は36.4989℃、両者の差は0.007℃となり、paired t testでは有意差が無かった。(3)鼓膜温と腋窩体温の相関関係はY=23.3+0.3618X (r=0.32)  腋窩体温>36.6℃の場合、Y=10.54+0.7076X (r=0.31) と相関関係が大きく、腋窩体温<36.6℃の場合、Y=32.34+0.1112X (r=0.072)となり、相関関係はなかった。・・・以下省略。
1.温度眼振検査時の鼓膜体温の変化ー赤外線鼓膜体温計を用いてー 耳展 36:703-708、1993. 西澤伸志
          要約 温度眼振検査の際、鼓膜体温が検査前の体温に回復する時間、鼓膜体温の変化、その変化の速さ、体温変化の数式化の可否について調べた。対象は鼓膜所見が正常な120名240耳である。鼓膜体温は非接触型の赤外線鼓膜体温計を用い、眼振検査の直前、1分から1分ごと10分までと15分、20分に測定した。温度眼振検査は20℃の水20mlを20秒で施行した。1分から2分にかけて最も体温が上昇し、2.2℃/分であったが、時間と共に温度上昇は現象した。15分後に検査前の体温に戻った。最初の3分間の鼓膜体温はT=32.55℃+6.62 log(minutes)℃の式で表現された。鼓膜体温は腋窩体温より0.4℃高い値であった。・・・以下省略。

学会発表と抄録

12.鼓膜体温計の基礎2ー測定距離、測定角度による偏差ー
 日本耳鼻咽喉科学会北海道地方部会第177回 1998.3.29 札幌市
 西澤伸志(美唄労災)
         鼓膜体温が外耳道へ挿入される際、手技の優劣の影響を調べるため、測定距離と方向について調べた。恒温水槽の水面温度を、0.5cmから測定し、鼓膜体温計と鼓膜までの測定距離の14 mm に近い1 cmと2cmの測定距離で有意差がなかった。鼓膜体温計の先端を水面と垂直(鉛直線)を0度として10度ずつ変化させ60度まで、測定した。垂直方向と40度まで傾いても有意差がなかった。

11.鼓膜体温計の基礎1ー四種類の鼓膜体温計の精度ー
 日本耳鼻咽喉科学会北海道地方部会第177回 1998.3.29 札幌市
 西澤伸志(美唄労災)
         四機種の鼓膜体温計を一度に10回、一年以上、延べ1000回以上、同一の標準黒体を測定し、測定値の再現性と偏差の程度を調べた。37℃測定で37±0.1℃に入る割合は、54.0%、と器械差を認めた。標準偏差は0.14から0.39℃と器械差を認めた。10回連続測定では、三機種が最初の測定で特異的に最低温度表示を呈し、4回目以降の測定で最高値を呈した。10回測定の最高と最低表示温度差が三機種では0.6℃に収まったが、1℃以上もあった。

10.鼓膜体温計885人1770耳の使用経験
 96回日本耳鼻咽喉科学会総会学術講演会 1995.5.11-13 千葉市
 西澤伸志(美唄労災)
     目的 赤外線鼓膜体温計が我が国で使用されてから3年になるが、その使用結果については十分な報告がない。そこで鼓膜体温と腋窩体温の比較、左右の鼓膜温の比較、鼓膜体温計の表示の偏差について可及的に多数例について調べた。・・・以後省略。

9.サーモグラフィによる手術時温度刺激検査の二次元的鼓膜温観察
 第4回臨床耳科学会 1994.11.10-12 大阪市 
 西澤伸志(美唄労災)
         はじめに:サーモグラフィは皮膚または粘膜の温度分布を二次元的に画像表示し、検査・診断に役立てる生理機能画像診断である。冷却負荷試験にて振動病や糖尿病などの末梢循環障害の判定、移植皮膚の血行状態の判断、表面温度差による膠原病病巣の範囲や腫瘍範囲の診断、神経ブロックの効果の判定に用いられているが、耳鼻咽喉科領域の応用は少ない。一方、温度分布を経時的にスキャンし、温度変化を視覚的に記録できる点が他の温度測定装置と区別される。今回は手術時に温度刺激検査を施行し、外耳道の温度変化をサーモグラフィを用いて二次元的な画像として経時的に記録した。・・・以後省略。

8.サ-モグラフィによる真冬日の耳温度変化の観察
 第9回北海道臨床体温研究会 1994.9.3 札幌市
 西澤伸志(美唄労災)
     はじめに:寒気の中から入室の際、どの程度の時間で耳のどこから体温が回復するのかを知ることは赤外線鼓膜体温計を使用する上で必要である。そこで1994年2月1日から2月25日までの真冬日に、サーモグラフィを用いて耳の二次元的な温度分布変化を調べた。 方法:サーモグラフイはNEC三栄サーモトレーサ6T67を使用した。最小分解温度は0.1℃とした。画像スキャンは1画像1秒に設定した。コントロールとして最初に室内(人工気象室)にて耳温度を測定し、その後、耳を含めて頭部を露出したまま20分間屋外(寒気中)に出て直ちに室内に戻り、経時的に耳の温度変化を観察した。併せてVTRにも記録した。対側の耳は赤外線鼓膜体温計にて鼓膜温を測定した。室内の温度および屋外の気温、また被検者の体温も測定した。 対象:正常8人と○腫瘍の治療のため浅側頭動脈が結紮された症例である。 結果:正常人は外耳道と、浅側頭動脈に一致した皮膚から温度が回復し、30分後には検査前の温度に戻った。動脈結紮症例では、外耳道の温度回復は正常人と一致したが、耳前部の回復は正常人と一致しなかった。 これらの結果を供覧する。

7.赤外線鼓膜体温計568人1136耳の使用経験
 第9回北海道臨床体温研究会 1994.9.3 札幌市 
 西澤伸志(美唄労災)
         はじめに:鼓膜体温(TM)と腋窩体温(AT)の関係が知りたいところである。可及的に症例を多くして検討した。・・・以後省略。

6.サ-モグラフィによる寒冷地の耳温度変化の観察
 日本耳鼻咽喉科学会北海道地方部会第7回ブロック講演会 1994.7.31 旭川市
 西澤伸志(美唄労災)
     寒気中から入室の際、どの程度の時間で耳のどこから温度回復するかを知ることは赤外線鼓膜体温計を使用する上で必要である。1994年2月1日?25日(真冬日)の間、室内でサーモグラフィで耳の2次元的な温度分布を記録した後20分間屋外(寒気中)に出て直ちに室内に戻り経時的に観察した。正常9人は外耳道及び浅側頭動脈に一致した皮膚から温度回復し30分で戻ったが、浅側頭動脈結紮例の回復は血管走行と一致しなかった。 

5.温度眼振時の鼓膜体温 -4℃と20℃の比較-
 95回日本耳鼻咽喉科学会総会 1994.5.19-21新潟市
 西澤伸志(美唄労災)
     (目的)温度眼振検査の際、外耳道内の温度変化については充分解明されていない。当科では温度眼振検査を20℃の水にて施行し、半規管麻痺の耳には4℃の冷水で再検査しているが、鼓膜体温の変化も測定している。前回は20℃による鼓膜体温変化を報告したが、今回は4℃についても検討し、両者を比較することで温度変化を解明することを目的とした。・・・以後省略。 
4.鼓膜体温計の使用経験(402人804耳)
 日本耳鼻咽喉科学会北海道地方部会第169回 1994.3.27 札幌市
 西澤伸志(美唄労災)
     鼓膜体温計サーモスキャンで一側5回ずつ4020回測定し、予測式腋下体温計C2とも比較した。平均鼓膜体温は36.58℃と平均腋窩体温36.50℃より0.08℃高かった(p<0.0001)。腋窩温36.6℃以下では鼓膜温は高く、相関はなかったが、36.6℃以上では相関があった。鼓膜温は液亜温より最大1.9℃高いこともあり、逆に1.8℃低いこともあった.5回測定した鼓膜体温中、3回は腋窩温より高く、1回は低い値であった。腋窩温より5回すべて鼓膜温が高値であった耳は295耳(36.7%)、すべて低値であった耳は226耳(28.1%)であった。同一耳の最高値と最低値の較差は0.4℃であった.5回測定平均の右耳と左耳との差は0.01℃(p=0.315)でよく相関した。

3.鼓膜体温と腋窩体温の比較
 第3回臨床耳科学会総会 1993.11.4-6 名古屋市
 西澤伸志(美唄労災)

     (はじめに)鼓膜体温計が我国で使用されて1年余りになる。この間、米国や我国でも鼓膜体温と腋窩、舌下、直腸体温と比較した報告がみられるが、いずれも小数例に留まっている。一方鼓膜所見については触れていない。対象も主に乳幼児に限られている。そこで今回鼓膜体温と腋窩体温を比較検討した。・・・以後省略。

2.温度眼振検査時の鼓膜"体温"の変化-鼓膜体温計を用いて-
 94回日本耳鼻咽喉科学会総会 1993.5.27-29 京都市
 西澤伸志(美唄労災)

     (目的)温度眼振検査の際、鼓膜の皮膚面の"体温"を「鼓膜体温計」を用いて経時的に測定し、鼓膜の体温がどの様に変化し、どのくらいの時間でもとに戻るのか、について調べることを目的とした。・・・以後省略。

1.温度眼振検査後の鼓膜"体温"の変化-鼓膜体温計を用いて
 日本耳鼻咽喉科学会北海道地方部会第166回 1992.10.18 札幌市
 西澤伸志(美唄労災病院耳鼻科)
     目的:温度眼振検査を施行した際、鼓膜面の"体温"が、検査前の"体温"にもどる時間を「鼓膜体温 計」を用いて測定し、鼓膜面の"体温"がもとに戻る時間および眼振の持続時間との関係を調べることを目的とした。・・・以後省略。

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